多汗症治療について

基礎疾患などの原因がなく、わきや手足などの部位に限局的に生じる多汗症を原発性局所多汗症と言います。

汗っかきとして放置されている方も多いですが、日常生活に支障をきたす場合には、保険適用で治療が可能です。

塩化アルミニウム製剤の外用は以前から知られている自費の多汗症の外用剤ですが、近年わき汗の治療薬としてエクロックゲルやラピフォート、手掌の外用剤としてアポハイドローションといった保険適用の外用剤が発売されました。

また、中等症以上のわきの多汗症では、ボトックス治療も保険適用となっております。

外用剤などによる治療効果が乏しい方やかぶれにより使用できない方、顔面や躯幹など外用しにくい部位の多汗症の方には、プロバンサインという内服薬も処方しております。

水道水イオントフォレーシスは、掌蹠多汗症(手足の多汗症)の治療法として、日本皮膚科学会のガイドラインで塩化アルミニウム溶液などの外用剤と並んで推奨されている治療法で、保険適用があります。始めの1ヶ月は週に1回~2回、両手、両足の治療では約30分間水道水を入れた容器に手足を浸し、微量の電気を流すという治療法です。1ヶ月から2か月程度で治療効果が出てくることが多く、その後は治療頻度を減らしていきます。

 

原発性局所多汗症とは、局所的な過剰な発汗が明らかな原因がないまま6か月以上続いており、以下の6項目のうち2項目以上あてはまる場合に診断されます。

1.最初に症状が出たのが25歳以下であること

2.対称性に発汗がみられること

3.睡眠中は発汗がとまっていること

4.1週間に1回以上多汗のエピソードがあること

5.家族歴がみられること

6. それにより日常生活に支障をきたすこと