子宮頚がんワクチン（HPVワクチン）

当院では、子宮頚がんワクチンの定期予防接種を実施しております。

子宮頸がんは、日本では毎年約１万１千人が発症し、約2,900人が死亡すると推定されています。

子宮頚がんはヒトパピローマウィルス（HPV）といわれるウィルスが、子宮頚部（子宮の入口）の細胞内に主に性交渉によって感染することにより生じます。HPVはどこにでも存在するありふれたウィルスで、子宮頸部以外にも、全身の皮膚や粘膜に感染し、尋常性疣贅などのいぼの他、中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどの原因となります。

HPVは大部分の人が一生涯に一度は感染するウィルスです。子宮頸部にHPVが感染してもほとんどが自然消失しますが、ごく一部が長期間細胞内に持続感染し、細胞の異形成、癌化を引き起こします。

HPVには100種類以上の型がありますが、子宮頚がんの原因とされるハイリスク型HPVは15種類程特定されています。

子宮頸がんワクチンにはサーバリックス、ガーダシル、シルガード９の3種類ありますが、これから接種される方におすすめなのは、最も予防効果の高いシルガード９というワクチンです。シルガード９は、子宮頚がんの80～90％の原因とされる7種類の型（16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型）のみならず、尖圭コンジローマの原因となる16型、18型の感染も予防します。

子宮頚がんも、尖圭コンジローマも主に性交渉によって感染するめ、性交渉開始前に接種することが肝要です。

また、ワクチンを接種された方も、100％ハイリスク型HPV感染を予防できないため、定期的な子宮頚がん検診の受診も大切です。

子宮頚がんワクチン（HPVワクチン）は現在定期接種の対象となっているため、対象年齢の女性であれば公費（無料）で接種することができます。

【令和6年度接種対象者】

小学校6年生～高校1年生（平成20年4月2日～平成25年4月1日生まれ）の女子

【キャッチアップ接種対象者】

過去に定期接種の機会を逃した女性（平成9年度生まれ～平成18年度生まれ）で、HPVワクチンの合計3回接種を完了していない方　

キャッチアップ接種対象者が公費で接種できる期限は令和7年（2025年）3月末までです。まだ一度も接種を受けてない場合、遅くとも2024年9月までに1回目の接種を終える必要があります。