帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹は、80歳までに3人に1人が発症するといわれる皮膚科でもよく見られる病気です。水ぼうそう(水痘)にかかったあと、水痘ウィルスは神経節に潜伏感染していますが、加齢やストレスなどにより免疫力が低下した際にウィルスが再活性化して神経に沿って増殖し、皮疹が出現します。神経の炎症によりかゆみやぴりぴりとした痛みが、皮疹が出現する数日前から自覚されることが多いです。皮疹が出現したらできるだけ早めに抗ウィルス薬の内服を行うことが重要です。重症化すると、末梢神経が傷つき、皮疹が治癒したあとも痛みを残す後遺症(帯状疱疹後神経痛)が厄介です。特に高齢者や、糖尿病、悪性腫瘍などの基礎疾患のある方、ステロイドや免疫抑制剤を内服中の方などでは重症化しやすいことが知られています。神経痛の後遺症を残さないようにするために、50歳以上の方には、帯状疱疹ワクチンの接種をおすすめします。

♢よくある質問

質問①水ぼうそう(水痘)にかかったことがありませんが、ワクチン接種の必要はありませんか。

帯状疱疹は水ぼうそう(水痘)にかかった方が発症します。水痘ワクチンを接種されている方など、軽症の場合には感染していても自覚されないことも多くありますので、水痘にかかった覚えがない方もワクチン接種をおすすめします。

質問②一度帯状疱疹にかかったことがありますが、ワクチン接種の必要はありませんか。

帯状疱疹は単純ヘルペスの様に何度も繰り返しやすい疾患ではありませんが、生涯で2度、3度発症することは稀ではありません。発症後一定期間経過すると、抗体価が低下してきますので、特に高齢者や免疫抑制状態にある方では、再発する可能性が高くなりますので、接種をおすすめします。

帯状疱疹の発症・重症化予防に有効なワクチンには現在2種類あります。

帯状疱疹の発症・重症化予防に有効な2種類ワクチン比較
製品名 シングリックス(帯状疱疹ワクチン) ビゲン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)
対象年齢

50歳以上(世田谷区助成あり)

18歳以上の発症リスクが高いと考えられる方

50歳以上(世田谷区助成あり)
種類 不活化ワクチン

生ワクチン

回数

費用

2回

初回接種後2~6か月以内に2回目接種

18歳以上50歳未満の方は

22,000円×2回=44,000円

世田谷区にお住まいの18歳以上の方は

12,000円×2回となります。

1回

8,800円

世田谷区にお住まいの18歳以上の方は

4,800円×1回となります。

発症予防効果

高い

50歳以上:97.2%

70歳以上:89.8%

50%
神経痛抑制効果

高い

50歳以上:100%

70歳以上:85.5%

65%
効果の持続期間

長い

10年以上

5年程度で減弱

副反応

発現頻度

高い

注射部位の疼痛79.1%,発赤38.0%,腫脹26.3%,筋肉痛41.4%,疲労40.1%,頭痛33.9%

低い

注射部位の発赤44%,そう痒27.4%,熱感18.5%,腫脹17%,疼痛14.7%,硬結13.5%,

発疹・倦怠感1~5%未満,関節・筋肉痛1%未満

接種方法 筋肉注射 皮下注射
接種できない方

本剤でアナフィラキシーの既往がある方

発熱のある方

重篤な急性疾患にかかっている方

本剤でアナフィラキシーの既往がある方

妊娠中の方

免疫抑制剤使用中など免疫機能低下がある方

発熱のある方

重篤な急性疾患にかかっている方

 

 

 

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