中央の黒い部分が粉瘤の開口部
見えない場合もあり
粉瘤とは毛穴が拡張して生じるできもので、内部には、皮膚と同じ構造をもつ外側の膜が産生する角質や皮脂が貯留しています。毛穴があるところであれば体中どこにでもでき、通常は痛みもなく見えない場所であれば気が付かない場合もあります。放っておくと内容物の貯留とともに徐々に大きくなり、何らかの刺激により外側の膜が破れ、内容物が皮下に漏れ出ると異物反応として炎症を起こします。炎症がおこると膿がたまり、赤く大きく腫れあがり、痛みを伴うようになり慌てて受診される方が多くいらっしゃいます。
粉瘤は良性のもので、命に係わる疾患ではありませんが、炎症してから手術を行うと、粉瘤の開口部が確認しにくいことがあり再発リスクが高まること、炎症しているときは麻酔も効きにくく手術時の痛みも強くなることから、粉瘤ができた場合、小さく痛みがないうちに早めに手術で摘出することをお勧めします。
当院では、開業以来、小さな粉瘤から大きなものまで、炎症のないものから炎症を起こして腫れているものまで、頭や顔、躯幹や四肢にできたものまで、多数の粉瘤の手術を行ってきました。
当院で行う粉瘤手術の多くは、くり抜き法という手術方式を採用しています。
開口部といって粉瘤の起点となる毛穴の入り口部分を確認し、2~6㎜まで選択できるトレパンという先が筒状の刃になっている器具を使用して開口部を含めて切除します。開口部は黒い点にみえることが多いですが、確認しにくいときは局所麻酔時に内容物が漏れ出てくる毛穴がないか注視して見つけます。
粉瘤の膜の外側への麻酔液注入と用手的な圧迫によって3㎝程度の大きめの粉瘤でも内容物を圧出することで、開口部に3~5㎜程度の小さな穴をあけるだけで膜ごと摘出が可能となります。
5㎝を超えるおおきな粉瘤の場合には、膜の取り残しを防ぐため、紡錐形(細めの葉の形)にメスで切開し、膜の大部分を周囲の皮下組織と剥離してから、トレパンを用いる場合と同様に内容物を圧出して小さく縮めてから膜を摘出し、1㎝程度の小さめの傷ですむように工夫して手術を行っています。
4㎝を超える大きな炎症性粉瘤
中央より下方にある開口部から離れた上方が赤くなっている。炎症は開口部と離れた部位で起こること多い
開口部を含めて紡錐形に切開線をマーキング
イソジンで消毒後
開口部をマーキング
炎症性粉瘤の場合には、膿や炎症でふやけた膜などの組織を除去し、生理食塩水で十分に洗浄を行ったあと、炎症が強い場合や、炎症後時間が経過しすでに硬くなっている場合にはケナコルトというステロイド局所注射を行い、はれや赤み、炎症後のしこりがはやく退縮するよう工夫しています。
粉瘤以外のできものが疑われる5㎝程度の大きなできもので手術をご希望の場合には、術前に近隣のメディカルスキャニングにて、MRI検査をおすすめする場合があります。
炎症を起こしていない場合でも大きなできものを摘出する際には、術後出血がしばらく続いて皮下に血が溜まってしまうことがあるため、ドレーンチューブという柔らかいチューブを数日留置し、集めのガーゼと頑丈なテープで圧迫固定し、術後血腫ができないよう工夫しています。大きなできものを摘出する場合には1~2週間後の抜糸日だけでなく、手術翌日、翌々日もご来院可能な日程での手術をお勧めしています。
また、当院での手術が困難と判断した場合には、適切な医療機関へご紹介させて頂きます。
鼠径部や外陰部、臀部などのデリケートゾーンにできた粉瘤ですと、特に女性の場合、大きくなったり腫れてくるまで受診されないケースがみられます。当院は女性の院長が手術を担当しますので気兼ねなく受診して下さい。
院長の診療時間中であれば、ご希望があれば、当日中の手術を可能な限り行っております。手術時間は小さいもので10分程度、大きいものでも30分程度です。(ただし、当日手術の場合、待ち時間が発生することが多いです。)
手術をするか悩まれている方は、一度ご相談だけでも良いので、お気軽にご来院下さい。
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午後 | ○ | ● | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
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